流れる雲のように・・・
 
エジプト、トルコ、その他海外、旅の思い出・・・
 



2005年3月10日を表示

長距離列車の旅

列車が動き出すと、拳銃を持ったポリスが列車内を巡回する。二人組みで、あからさまに銃を見せ付けるように、巡回をする。
実はエジプト国内は、自由に旅行を出来ない区域がある。列車での移動も日本政府からは自粛勧告が出ている。国内の長距離移動には、飛行機を使うように注意を促している。途中下車も出来る駅と出来ない駅がある。また、旅行者が乗る列車は決められており、それ以外の列車には乗ることが出来ない。
エジプトでは日本人10人を含む63人がイスラム原理主義によるテロで犠牲になっており、エジプトでは観光地、公共交通機関、街中、ホテルなど、細心の注意を払ってテロを警戒しているのだ。特にこれから向かうエジプト中部地域は特に警戒が厳しく、カイロを離れると600キロ先のルクソール駅まで途中下車はほとんど出来ないといってもいい。途中で降りようと思ってもアナウンスはないし、駅名表示も無い。駅名表示があったとしてもアラビア語表記だけ。自力での途中下車は不可能に近い。

カイローアスワン間なら1等列車10時間の旅で約1500円、飛行機なら1時間ちょっとで17000円。価格差は歴然、当然俺は列車での移動だ。ちなみに高級寝台列車ワゴン・リーなら5500円ほどだ。

武装警官に続いての登場は、車内販売の「シャイ」の登場だ。ボーイらしき人物がシャイを売り歩く。注文するとシャイを置いていく。金額は2LE(36円)、ちょっと高いかな。お金はシャイグラスを回収する時に払う後払いとなっている。1時間か2時間に1回は売り歩いている。アスワンに着くまでの12時間で、5杯以上シャイを飲んだ。

長距離列車での途中駅での下車はほとんどがルクソールとアスワンだ。この駅に到着する時だけは、車掌らしき人物が観光客に声を掛けていく。駅名表示にローマ字表記もある。

本来のアスワン到着時間頃にルクソールに到着したので、ちょっと何駅か迷ったが、アラビア語のルクソールの表記を見つけ、ちょっと安心した。外国での移動は、いつでも降りる駅や場所が近くなるとドキドキするものだ。
「ほんとにここでいいのかなぁ~と。」
どうやら同じ車両に乗っていた日本人は全てアスワンまで行く模様だ。誰も降りなかった。ちょっと安心する。

乗客の乗り降りが多かったルクソールを出発すると、ノロノロと列車は動き出した。
「テロの警戒?」そう思えるほど、ルクソール近辺ではノロノロ運転だった。それとも、線路をロバが横切っていたのかな・・・・・

約2時間遅れで、列車はアスワンに到着。日本人も皆降りる準備をしている。どうやらアスワンで間違いなさそうだ。
駅へ降りると、カイロよりも強い日差しを感じた。
ホームへ降りると俺の名を呼ぶガイドがいた。
ガイドとともに駅を出て、車に乗り込みホテルへ向かう。ここからは全てイングリッシュガイドによるツアーの始まりだ。
集合時間など、大事な要点だけは紙に書いてもらい、英語を聞き流す。
正直、嫌いな英語のやり取りでうっとうしい・・・・・
しかし、後で困るのは俺自身だから、彼の言葉を理解しようと努力はした。

ホテルで荷物を整理した後、集合時間はフロント午後1時。そこだけはしっかりとチェック。
スーツケースを引きながら、部屋へ入ると、今まで見たエジプト人とは明らかに様相がちがう、色の黒いルームメイクの女の子がいた。エジプト人でもアフリカ人でもない、ヌビア人という人種だ。ニコニコしてこちらに語りかける。俺も語り返す。10分以上部屋にいたのではないだろうか。会話の途中で部屋を出て行くそぶりはまるでなかった。
「愛くるしくて、人懐っこいヌビア人」
地球の歩き方にはそう書いてあったが、まるでその通りだった。

「これからアスワン観光なんだ、1時にフロント集合なんだ。」そういうと、女の子はちょっとがっかりしたようだった。女の子がアスワンを案内してもいいよというような、そんな感じだった。好意からの行為なのか、バクシーシ欲しさの行為なのか判断がつかなかったが、あの大きな目、ピアスをあけた鼻と耳。愛くるしく人懐っこいヌビアの女の子は部屋を出て行った。

ツアーをキャンセルすればよかったかな・・・・・



3月10日(木) | トラックバック(0) | コメント(0) | EGYPT | 管理


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