流れる雲のように・・・
 
エジプト、トルコ、その他海外、旅の思い出・・・
 



2005年2月13日を表示

賑やかなエスナの少女

デッキで日光浴をしていると、岸壁にいる少女が、
「ボンジョルノ~」「イタリア~ノ」と、叫んでいる。
超ビキニパンツで船上を歩いていたから、遠くにいる女の子からは、もっこりイタリアーノに見えたらしい。
盛んに手を振り、
「ベン、ベン、」とペンで書く振りをしている。
どうやらペンが欲しいようだ。

「ペンはないよ~!」と、俺も身振り手振りで叫ぶが、それでもなお少女は、
「お願い、ベン(ペン)を頂戴!」という、ポーズをしている。しかもずっと叫んでいる。
「しょうがないなぁ~・・・」
サンオイルだらけの体だったが、タオルで拭き取り、部屋にあるボールペンをあげる事にした。

タラップはもう接岸されていないので、ボールペンをタオルにくるみ、船から岸壁まで投げる事にした。
岸壁のポリスは、少女に向かって、
「あっちへ行け!」という事を言っている。
少女はそれでも
「ベン!ベン!」と叫んでいる。
タオルにくるんだボールペンが、岸壁の少女のいる所まで届くかどうか微妙だったので、タオルをプールで濡らして、遠くへ投げられるようにして思いっきり投げた。
フェンスでしきられた岸壁だったが、無事少女のいる所まで投げることが出来た。
少女は喜んで、町の中へ消えていった。

再び、日光浴とプールでのクールダウンを繰り返す。
照りつける太陽だが気持いい!

そうこうしていると、船が出港する時間になったようだ。
汽笛が鳴る。
するとまた、
「イタリア~ノ」と、あの少女の声がした。
どうやら見送りに来てくれた様だった。
「バイバ~イ!」と、手を振り、遠ざかる少女に見送られた。

心和む時間だった。



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