賑やかなエスナの少女 |
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| デッキで日光浴をしていると、岸壁にいる少女が、 「ボンジョルノ~」「イタリア~ノ」と、叫んでいる。 超ビキニパンツで船上を歩いていたから、遠くにいる女の子からは、もっこりイタリアーノに見えたらしい。 盛んに手を振り、 「ベン、ベン、」とペンで書く振りをしている。 どうやらペンが欲しいようだ。
「ペンはないよ~!」と、俺も身振り手振りで叫ぶが、それでもなお少女は、 「お願い、ベン(ペン)を頂戴!」という、ポーズをしている。しかもずっと叫んでいる。 「しょうがないなぁ~・・・」 サンオイルだらけの体だったが、タオルで拭き取り、部屋にあるボールペンをあげる事にした。
タラップはもう接岸されていないので、ボールペンをタオルにくるみ、船から岸壁まで投げる事にした。 岸壁のポリスは、少女に向かって、 「あっちへ行け!」という事を言っている。 少女はそれでも 「ベン!ベン!」と叫んでいる。 タオルにくるんだボールペンが、岸壁の少女のいる所まで届くかどうか微妙だったので、タオルをプールで濡らして、遠くへ投げられるようにして思いっきり投げた。 フェンスでしきられた岸壁だったが、無事少女のいる所まで投げることが出来た。 少女は喜んで、町の中へ消えていった。
再び、日光浴とプールでのクールダウンを繰り返す。 照りつける太陽だが気持いい!
そうこうしていると、船が出港する時間になったようだ。 汽笛が鳴る。 するとまた、 「イタリア~ノ」と、あの少女の声がした。 どうやら見送りに来てくれた様だった。 「バイバ~イ!」と、手を振り、遠ざかる少女に見送られた。
心和む時間だった。
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2月13日(日) | トラックバック(0) | コメント(0) | EGYPT | 管理
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