エジプト最後のいい人 |
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| スーフィーダンスが終わり、シタデルの演舞場から門まで歩く。 城塞やモスクがライトアップされていて、綺麗だった。 門の前では観光客を待つタクシーが並んでいた。 「タクシー?タクシー?」 盛んに声を掛けてくる。 正直ホテル前や、観光地前で待機しているタクシーには乗りたくない。 ボッタクリ価格が当たり前になっているからだ。 大きな通りまででて、流しのタクシーを捕まえようと思ったが、こちらの値段でOKというドライバーがいたので、そのタクシーに乗り込んだ。 「へぇ~、最後にいいタクシーに巡り合ったなぁ~・・・」 俺の目的地まで約5キロくらいだろうか、5LEでいいというのだ。 ところがどっこい、その思いは3分後にはひっくり返される事になる。 車内で60LEを要求してきたのだ! 「ふざけんじゃねーぞ!」日本語で怒鳴り、座席を蹴り上げる。 動いているタクシーのドアを開け、交差点で飛び降りた。 動いているバスに乗ったり降りたりすることは、エジプトでは当たり前だが、動いているタクシーから飛び降りるのは俺くらいだろう。当然お金も払わなかったが、ドライバーもまだ観光客が残っているであろうシタデルへ向けて、急いで走り去ってしまった。 やはり観光客相手のタクシーは信用ならん!
流しのタクシーを捕まえる事にした。 経験から、若者のタクシーを捕まえる事にした。 中には10代くらいの若い運転手もいるのだ。 そしてあまりボッタくってこないのだ。こちらの機嫌を伺う事が多い。 一番最初に声を掛けたタクシーは、 「サードザグルールまでいくら?」と聞くと、 「3LE」と答えた。 「えっ、エジプシャンプライスじゃん!」 早速その若者のタクシーに乗る事にした。 エジプト人らしからぬ色の白さだった。俺の方が黒い。ヨーローパ人らしき風貌のイケメン運転手だった。 途中で2組ほど相乗りをしたが、そのうちの1組が桃を持っていた。 「ホーッホ」(桃)とエジプト語でいうと、その桃を1個俺にくれた。 「シュックラン」(ありがとう)といい、その後ずっと会話帳を見ながら会話をした。 運転手が誠実な人だということ、かっこいいという事、今までタクシーではボッタクリばっかりだった事を話した。
そうこうしているうちに、タクシーはさくらホテル前へ。 エジプトでは一度両替した紙幣を再度日本円にする事は難しい。後数時間後にはエジプトを旅立つ俺。持っていてもしょうがない高額紙幣を運転手に渡す。 残った親子の分も払うよと告げ、 「君は唯一の正直なタクシーの運転手だったから、バクシーシだよ。」 そういって50LE札を渡す。細かいお金を持っていなかったのも事実だが、エジプト紙幣を持っていても空港で両替も買い物も出来ないのだ。 最後にエジプト人タクシーにも良心がある事をしって、心和んだのだ。 気持ちよくお金を渡した。若い彼は俺が乗る時3LEと言っておきながら、50LE渡したからびっくりしていた。
最初のタクシーで飛び降りたままだったら、絶対モヤモヤした気分でエジプト出国だったが、このタクシーに乗ったおかげで、今までのタクシーによる苦労が全て吹き飛んだ気持だった。 どうせ使わないし使えないお金なら・・・・・ 彼がこれからも観光客に正直である事を願う
ホテルへ戻り、エジプト出国の準備をする・・・・・
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9月25日(土) | トラックバック(0) | コメント(0) | EGYPT | 管理
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